-オープンソースのSNSエンジン OpenPNEプロジェクト-

導入事例

東京経済大学葵友会様

より安全に利用できる環境を低予算で提供するために、オープンソースのOpenPNEを利用した独自のSNSを開発するにいたりました。

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  • 東京経済大学葵友会 理事(IT化検討委員会委員)榎島景子様

現在10万人規模の組織である東京経済大学の同窓会組織「葵友会」。「葵友会交流システム(SNS)」はOpenPNEを導入し、組織交流の活性化と在校生との連携強化を目的として開発され、2013年4月から本稼働を開始した。SNS運営上の課題と、今後の展開について詳しく伺った。

Q1: 榎島様はSNS運用上どういった作業を担当されているのでしょうか。

葵友会交流システムの企画、開発管理、運営管理をしています。

Q2: どのような目的でSNSを運営されてますか。

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「葵友会交流システム」は葵友会の交流の活性化と、在校生との連携強化を目的として開発されました。これまで、葵友会には地域支部があり支部を中心としたさまざまな会合、イベントで交流を深めてきました。
しかし、葵友会活動に積極的に参加している会員の年齢層が高く若手の参加が少ないことがひとつの問題でした。若手にもっと活動を知ってもらうこと、仕事や子育てでいそがしい世代にも活動に興味を持ってもらうために、いつでもどこからでもアクセスできるSNSが有効ではないかと考えました。また、これまで会費は年度ごとに徴収していましたが、2013年3月以降の卒業生は入学時に卒業後30年間の葵友会費を徴収する形となりました。そのため、卒業生=会費納入者となり、卒業生全員を対象とした会員交流にはネット活用を積極的に進める必要があったという背景もあります。なお、利用者は葵友会の会費を納めた正会員のみに限定されています。

—-会員登録への誘導はどのような形をとられてるのでしょうか。

葵友会で年に4回発行している会誌「東京経済」上での記事や広告、折込ちらしでの告知が主です。
また、公開したばかりで会員数が伸び悩んでおりますので、各地域支部の支部長・支部役員と連携して、利用の呼びかけをし始めたところです。

Q3: OpenPNEを選んだ理由をおしえてください。

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在校生を含む卒業生の個人情報を扱うため、当初から、クローズドなSNSを希望していました。
また、卒業生団体のため多額の資金を投入することは難しい状況にありました。
Facebookを活用する案もありましたが、より安全に利用できる環境を低予算で提供するために、オープンソースのOpenPNEを利用した独自のSNSを開発するにいたりました。

Q4: 日記、コミュニティ機能や独自の機能、人気のコンテンツなど、
実際の活用法をいくつか教えていただけますか。

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SNSへの書き込みは会員限定としていますが、一部のコンテンツは会員外でも閲覧できるようにしました。
そのため、コミュニティは公式コミュニティとそれ以外の2種類を用意しています。葵友会に認められた、公式コミュのトピックはWeb全体に公開することができ、葵友会・東京経済大学の活動を広く一般に広めることができるようになっています。
それ以外のコミュのトピックは、SNS内部での閲覧までとなっております。
また、独自の機能としてイベントにアンケート機能を追加しています。葵友会では、さまざまな会合・イベントを行っているため、日程や会場の調整などにこのシステムを役立てていただくためです。

—-内容によるかと思いますがのイベント参加人数は通常何名ぐらいになるのでしょうか。

地域支部の小さいイベントで10名前後のものから本部主催の1000名近い方が集まるイベントまで様々です。

—-現在のアクティブ率はどのくらいになりますでしょうか。

6割程度かと思います。現在のSNSの会員数はおおよそで300名弱の方に利用いただいてます。テストランのときから登録してくださっている方がほとんどです。
テストランに参加する = 葵友会への関心が高い方でしたので、こちらのシステムも積極的に使ってくださっています。4月から本稼動で、一般の方にも解放されましたので、この先は少し下がっていくだろうとは予想しています。

—-葵友会様には業種別の卒業生組織があるとのことですが、SNS内にそれぞれにコミュニティなどを持って活動報告などもされているんですか。

はい。葵流通会、などいくつかが積極的に使ってくださっています。まだ、イベントの告知とその報告に利用しているレベルですが。

—-事務局以外の一般会員が作ったコミュニティなどもあるのでしょうか。

はい。少ないですがあります。
大学時代に所属していたサークルごとのコミュや、ゼミの卒業生のコミュ、卒年が同じ人があつまるコミュ、が主です。中には、地域限定(地域支部よりも小さい範囲)のコミュもあります。

Q5: 現在、運営上のお悩みや今後の課題はございますか。

今現在、葵友会活動に積極的に参加している会員の年齢層が高く、利用方法をなかなか分かっていただけないことが現在の悩みです。PCメールを活用されている方は多いのですが、SNSの仕組みや、SNS独特の用語を知らない方も多く、利用率UPのための取り組みに苦心しています。
アンケート機能がついていることにすらお気づきでない会員も多くいらっしゃるので、まずは年齢層の高い会員にいかに活用していくのか、何ができるのかをしっかりと認知していただき、若年層にいかに登録してもらうかが鍵だと思っています。

—-今後の対策として検討されていることなどございますか。

現在、各地域支部の役員の方を順次お招きして、活用方法をご説明したり、逆に新たな使い方をご提案いただく会を開催しています。地域支部の役員の方から、一般の方への知識の広がりを期待しています。
また、先ほども出てきた会誌「東京経済」でわかりやすく使い方を説明するコラムなどを掲載していきたいとも考えています。

—-サポートコミュニティ(質問コミュニティのようなもの)の設置は、検討されてますか。

まだそのレベルにないかなと思っています。
そもそも「コミュニティって何?」とおっしゃるような方がも多いため、コミュニティに何かを書き込むことにも抵抗があるように感じています。また、利用者登録の段階でつまずく方もまだ結構いらっしゃいます。
現在はSNS内にサポート窓口を設け、メールでのみお問い合わせを受け付けていますが、年輩の方にはそれも難しいようです。電話サポートができるのがよいのでしょうが、費用面からまだ実現しておりません。

—-SNSで使用されるメニューなどの名称自体を年配の方に合わせる必要がありそうですね。

構築の際に、メニューはできるだけわかりやすく表現を変えようとしたのですがわかりやすい言葉に置き換えると、今度は、若手が何のことかわからなくなるというところから、あきらめた経緯があります。

Q6: 通常のSNSより管理者側で行う作業が多いのではと感じたのですが、
こんな機能があるとよいなどご要望はございますか。

PCに馴染みのない方に使っていただくためのチュートリアルのようなものがあるといいなと思います。
また不慣れな方には全体のメニューとユーザーメニューが二段に表示されることが理解しにくいようですので、
メニューをもう少し分かり易く設定可能にできないかなとも思っています。

また、写真のサムネイルが小さいのでもう少し大きく掲載できるといいと思います。

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