-オープンソースのSNSエンジン OpenPNEプロジェクト-

導入事例

ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様

ゲームはどうしても提供する側の一歩通行になりがちですが、SNSをコミュニケーションツールとして上手に活用すれば、ゲームのユーザーと運営者が双方向に繋がることができるんです。

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ラグナロクオンラインSNS」、「エミル・クロニクル・オンラインSNS」はOpenPNEをベースに、ゲームデータ連動機能など独自のカスタマイズをおこない進化しつづけるSNS。圧倒的な登録者数を誇るSNSの運営ノウハウについてガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社担当者様に詳しく伺った。

Q1: お仕事内容と、SNS運用上どういった作業を担当されているか教えてください。

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ファンタジーオンラインRPG「ラグナロクオンライン」のマーケティングを担当しています中村です。
ハートフルオンラインRPG 「エミル・クロニクル・オンライン」のマーケティングを担当しています榊田です。
主に、ゲームを楽しんでいただくためのキャンペーン・イベントや、広告・Web告知、タイアップや商品展開などの企画や、生放送などの企画を担当しています。

Q2: SNSはどのような目的で運営されてますか。

ユーザー間でのコミュニケーションを中心に、ゲームデータの閲覧、キャンペーンやイベント情報の共有などを行っています。運営チームの日記なども公開し、親しみやすいコミュニティーツールとしてご利用いただいております。

Q3: OpnePNEを導入してSNSを立ち上げる際の簡単な経緯を教えていただけますか。

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以前よりゲーム内だけではユーザーに対してフォローしきれない部分が多々あると感じておりました。
「ラグナロクオンライン」でSNSをやろうと思ったきっかけは、ログを残せないために一緒にゲームをしている仲間に伝言があっても、オンライン上の誰かに伝言を頼む必要などがありました。
そのためまず第一に、ギルドメンバー同士「土曜日何時に集合ね!」といった書き込みができる伝言板のようなものが欲しいという目的がありました。また、ユーザーの皆さんが遊んだ結果やイベント攻略法など、ここにくれば必ず「ラグナロクオンライン」の情報が確認できるという”情報共有の場”が欲しかったのです。
結果、SNSであれば目的を果たし上手く機能するだろうという結論に至りました。
「ラグナロクオンラインSNS」は2010年4月20日にオープンし、その秋くらいから手嶋屋のOpenPNE技術サポートにテスト契約しました。本稼働は翌年2011年です。

Q4: OpenPNEが選ばれた理由を教えてください。

当初よりSNSはゲーム連動機能の実装を想定しておりましたので、SNSの導入のしやすさ、オープンソースのため機能拡張が容易であったことが、OpenPNEを選んだ理由です。

Q5: OpenPNEを導入しSNSを立ち上げたことによって、
導入前と比較してプラスに転じた点があれば教えてください。

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プラットフォームがPCであるため、目の前にPCがないユーザーは物理的にゲームができません。
自分がゲームをプレイできない状況にある場合でも、ネット上ではゲームを24時間プレイし続ける人もおりゲームは進行し続けています。”今、ゲーム内で何が起こっているのかわからない”そのような時に、他のデバイスでも確認できるSNSというプラットフォームがあることでゲームと繋がっていられるのです。
「ラグナロクオンラインSNS」については、オープンソースベースで拡張が容易にでき、キャラクターとの紐付けが可能になったことが大きいです。SNSにログインすれば、相手のキャラクターが確認でき、会社で昼休みにちょこっとアクセスして「今晩8時に集合ね」など、ゲームを実際にやっていない時にゲームに触れられる、隣同士にいなくても相手に情報が渡せるというゲームの情報が共有できる場所としてSNSは大変便利ですね。
ゲームのプレイヤー同士、共通の話題がつきることはないので、コミュニティ形成の非常に重要なひとつになっています。その他、SNSが情報更新を即時的に行えるの場所になるので有り難いですね。

Q6: 現在のSNS登録者数を教えていただけますか。

現在、「ラグナロクオンラインSNS」は18万人を超えており、「エミル・クロニクル・オンラインSNS」は 2万6千人を超えています。

Q7: 日記、コミュニティ機能や独自の機能、人気のコンテンツなど、実際のSNS活用法をいくつかご説明願います。

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「ラグナロクオンラインSNS」ではゲームデータ連動機能として、ゲームにログインしなくてもキャラクターの状態が確認できたり、毎週行われるイベント「攻城戦」の結果や履歴が閲覧できたりといつでも「ラグナロクオンライン」に触れられ るようにしています。毎週末に行われる「攻城戦」に向けて、ユーザーはクローズドなコミュニティを作っておき、仲間と”経費や作戦を練る場”として利用してくださっています。みんなに見てもらいたいところはオープンにして、一定のユーザーだけに見せたいものはクローズドにするなどユーザー自身が能動的に使ってくださっています。

「エミル・クロニクル・オンラインSNS」ではゲームデータ連動機能として、ゲームにログインしなくてもキャラクターの状態が確認できたり、ゲーム内のコミュニティ「リング」で所有できる秘密基地「飛空城」の情報確認や、ユーザーが開催しているゲーム内イベントの宣伝など、幅広くご利用いただいております。

またイベントの時は、運営側がトピックを立てて、「攻略情報を話してね」「イベントの日記書いてね」などの誘導をおこない、それにより新たなイベント参加者を増やす施策をおこなうこともあります。
その他、運営側もユーザーの日記をよく拝見してます。ユーザーに”こんなふうに遊んでもらいたい”と実装した機能を実際にはどのように遊んでくださっているのか知りたいと思った際に、ユーザーが書いたプレイ日記にアクセスします。ユーザーの日記からはどストレートな意見、本音の感想を聞くことができます。

また、「あしあと」機能も重要な役割を果たしています。ユーザーが「あしあと」機能を使って、運営側がアクセスしてきた履歴を確認すると、「運営側も日記を見に来るぞ!」と話題にしてくださいます。”運営側もSNSをちゃんと見ているんだな”とユーザーに認識していただけるので相互理解に繋がると考えています。
時々「あしあと」だけでなく、運営側がコメントを残す企画をおこなっています。「このテーマで書いてくれたら運営側で見に行き、感想に応じて5種類のお返事を書くよ」といった企画です。

他にも、「ラグナロクオンライン」では、SNSのコミュニティの中で「イベントをするので、運営さん来てください !」とユーザーがお声をかけてくださったら、運営側は指定の時間に取材用キャラでゲームにログインして、「来たよ!」などのコミュニケーションをとったこともあります。
ゲームはどうしても提供する側の一通行になりがちですが、 SNSをコミュニケーションツールとして上手に活用すれば、ゲ ームのユーザーと運営者が双方向に繋がることができるんです。

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また「ラグナロクオンライン」の特色として、趣味で「ラグナロクオンライン」のイラストを描かれるユーザーが多く、同作品のキャラクターを題材にしたイラストサイトや同人誌などが多数あります。その為、「ラグナロクオンラインSNS」の一番大きなコミュニティも”お絵描きさんコミュニティ”です。 その他、キャラクターの似顔絵を描いてSNS用に登録できるサイズのアイコンをつくってくれる、”似顔絵屋さんコミュニティ” なども人気です。

Q8: OpenPNE導入当初にSNS運営上でお悩みはありましたか。

アクセス数が伸びた時にサーバの負荷を軽減するのに苦労しました。
画面のスクリーンショットをアップされるユーザーが多い為、サーバの負荷が高くなってしまうんです。

Q9: 今後のSNS改善点があれば教えてください。

まず実現したいのは、特定の日記だけオープンすることです。
「続きが読みたかったらSNSにログインしてみてね」といったかたちでSNSユーザー登録を促せたら良いなと思います。
他には、ログインしなくても「初心者さん集まれ」的なコミュニティは見ていただけるようにSNS外にも表示したいと思っています。

「ラグナロクオンラインSNS」ではゲームデータ連動機能の部分で、あれが見れるように、これが見れるようにとユーザーから多数要望が寄せられています。最近でいえば、キャラクターがクリアしたクエストの情報を一覧で出せるようにしました。それによって「このキャラはこんなに遊んでるんだ」などと確認できるようになりました。
次はワールド内のストーリーの進行状況を確認できるようにしたいと考えています。バレンタインデーなハロウィンなど、特定の季節ごとにイベントが行われるのですが、進行度がワールドによって異なる場合があるため、それぞれの段階を見れるようにしたいです。ゲージがどんどん溜まって満タンになると24時間良いことがあるフィーバータイムのような状況がありますが、SNS上でそれが確認できれば「今こそゲームにログインしなきゃ!」とゲーム利用促進に繋がるので、そういったゲームデータ連動機能を強化していきたいと思っています。
また、ユーザー自身が画面上の各機能の配置を使い勝手に応じてカスタマイズできると楽しいのでは、とも考えています。

コミュニティについては、今後はユーザーが作成したコミュニティを運営側が公認する、いわゆるお墨付きのコミュニティを増やしていきたいと考えています。

Q10: リアルイベントについても教えていただけますか。

ここ2年ほど、弊社では”浅草サンバカーニバル”に参加しているのですが、「ラグナロクオンラインSNS」ではユーザーでコスプレイヤーの方が「ラグナロクオンライン」のコスプレをして”浅草サンバカーニバル”にエントリーしてくださっています。イベント期間限定で、SNS上に”浅草サンバカーニバル”のコミュニティを作って運営してくださって、振り付けのスケッチなどが詳しく掲載されて大変盛り上がっていました。
「エミル・クロニクル・オンラインSNS」では各地のネットカフェでイベントを行っておりますが、現地のネットカフェで、イベントを通じて初めて顔を合わせたユーザー同士が、イベント後に「エミル・クロニクル・オンラインSNS」に 各地のコミュニティを作ってくださったりしています。
こういった、”リアルイベントからSNSへ”といった流れもできていますね。

Q11: 手嶋屋の「OpenPNE技術サポート」に契約した良かった点はどんなところでしょうか。

OpenPNEの既存の問題に起因する事象が発生した際に自ら調査することなく問題を解決できる点、仕様調査などの時間短縮ができた点ですね。

こちらの事例は「OpenPNE技術サポート」によるものです。
「OpenPNE技術サポート」について、詳しくは専門ページをご参照ください。

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